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第320回談話会のお知らせ


日 時 2019年10月25日(金)18:30−21:00

会 場 ウィングス京都2階セミナー室B

発表者 中原逸郎 氏

論 題 花街の記録ー北野上七軒の無音(トーキー)映像を中心にー

要 旨
花街(かがい、花柳界と同義)は芸舞妓(芸者及び半玉と同義)が
舞踊等の芸(芸能と同義)と地元の花街言葉で顧客をもてなす場で、
昭和30年代に全国で500を数えた花街は社会的・経済的環境の変化から
現在20程度に減じた。
花街は歌舞音曲で顧客をもてなす場であるため、音とは関係の深い地域である。
しかし、録音技術が発達した1980年代以降でも、
座敷で一瞬にして消え去る音の記録は意図をもって行われてきたわけではなく、
戦前の音の記録は著しく限られている。
その中で戦前の花街の映像記録は、この音の記録の欠如を視覚から補い、
音曲を取り巻く都市民俗を研究する上で貴重であると発表者は考える。
無音の映像研究では長田豊臣らの昭和8年(1933)の
祇園甲部(京都東山区)都をどりの映像研究(長田、1998)等が
先行研究として上げられるが、
今回発表の映像は芸を取り巻く都市生活の一部も記録している点で、
都市民俗の知見を与えると考える。
本発表で紹介する上七軒(京都市上京区)の映像は、
昭和10年(1935)ごろ撮影された無音(トーキー)の記録である。
上七軒は京都市の西北に位置し、
市井では豊臣秀吉(1537-98)主催の北野大茶会に起源があると言われている。
映像は@染織祭、A芸妓の店だし(デビュー)、
B上七軒温習会等5本で、地元の民俗記録としても重要である。
映像は繊維産業・西陣の景気の良さを反映し、
戦後花街舞踊を指導した石田民三(1901−72)を畏敬させた、
全盛期の上七軒のありさまを伝えている。
本発表ではBを中心に戦前の花街舞踊について考察する。
映像の製作者として昨年11月に発表者が主催した
上七軒関係者のみによる上映会では、着物の意匠作家で、
上七軒の顧客であったAの名があがった。
顧客であることもあり、その撮影映像は上七軒花街に深く入り、
鮮明な映像からは音が聞こえてくるように錯覚する。
発表では無音の映像に残された社会的・歴史的背景を明らかにしていきたい。

参考文献
長田豊臣編、1998「無形文化財と記録・保存-都をどりの16ミリ映画を題材として
 : 芸能・演劇分野の無形文化財保存の方法に関する基礎的研究」立命館大学
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