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第304回談話会(第9回卒業論文報告会)のお知らせ


日 時  2018年2月25日(日)13:00〜17:15
会 場  立命館大学衣笠キャンパス 清心館3階 533・534号室(キャンパスマップI)
     2会場での開催です
共 催  日本民俗学会
        
プログラム
13:00		開会(533教室)

A会場・533教室

13:10〜13:45	第1報告
		山崎美稀氏(立命館大学文学部)
		「映像コンテンツと地域社会の関係性―滋賀ロケーションオフィスを事例として―」

13:50〜14:25	第2報告
		岡崎梓織氏(滋賀県立大学人間文化学部)
		「滋賀県における民俗宗教的聖地の展開」

14:30〜15:05	第3報告
		石田萌寧氏(天理大学文学部)
		「凧揚げの民俗 −長崎県壱岐島の鬼凧を中心として−」

15:20〜15:55	第4報告
		河上伸太郎氏(佛教大学歴史学部)
		「宇治の橋姫伝説の成立と変遷」

16:00〜16:35 	第5報告
		金濱夏央氏(ものつくり大学技能工芸学部)
		「文化財復原整備にまきこまれたモノグラフ研究」

16:40〜17:15 	第6報告
		原 秀人氏(佛教大学歴史学部)
		「国府宮のはだか祭の民俗学的研究」

B会場・534教室

13:10〜13:45	第1報告
		渡 勇輝氏(佛教大学歴史学部)
		「柳田国男と「神道」―「神道私見」を中心に」

13:50〜14:25	第2報告
		澤山知里氏(関西学院大学社会学部)
		「「大阪木材商三講」の民俗誌―舞台講・伊勢講・伊太祁曽講―」

14:30〜15:05	第3報告
		井口真衣氏(滋賀県立大学人間文化学部)
		「滋賀県における葬送と近隣関係」

15:20〜15:55	第4報告
		福村悠馬氏(立命館大学文学部)
		「『旅程と費用換算』にみる観光行動の変容―1920年〜1940年の香川県を事例に―」

16:00〜16:35	第5報告
		出口真琴氏(椙山女学園大学国際コミュニケーション学部)
		「万葉集巻二の一〇七・一〇八番に現れた「山」と境界」

16:40〜17:15	第6報告
		福島聖也氏(関西学院大学社会学部)
		「大都市近郊地域における現代修験寺院の形成と展開―西宮市の事例―」

17:20		閉会(533教室)


概要

A会場・533教室

第1報告 山崎美稀氏(立命館大学文学部)
「映像コンテンツと地域社会の関係性―滋賀ロケーションオフィスを事例として―」
2000年代、フィルムコミッション(以下、FC)が日本各地に設立された。
FCは映画やテレビ番組など、あらゆるロケーション撮影を誘致し、サポートする非営利公的機関である。
これまでの研究では、FCの紹介や活動報告などから、FCの現状や政策としての役割、
制作者との関係に焦点が当てられてきた。
本発表では、滋賀ロケーションオフィスを事例として、FCと地元住民との関係について考察する。
アニメ・映画化にともなって発足した組織と、映画撮影時に食事提供を行った店舗への聞き取り調査を行い、
FCと地域社会との連携、地域について関係を明らかにする。
調査の結果、ロケ地の提供やエキストラ、地元企業の協賛などあらゆる場面で地元住民の積極的な協力が行われていた。
なかでも、「ロケ飯」というケータリングの提供については、
その場所的・時間的な制約のなかから地元飲食店が決定される。
地域貢献のため、厳しい条件を承知で協力している飲食店の存在は、地域社会がFCを支えている例である。

第2報告 岡崎梓織氏(滋賀県立大学人間文化学部)
「滋賀県における民俗宗教的聖地の展開」
古くから村落内で信仰されてきた小祠・小寺院が、いつしか村落外で信仰集団を複数獲得し、
小規模ながらも広域的信仰を獲得しているという事例は多く存在する。
こうした聖地については都市部における事例が多く報告されてきたが、
都市とは遠く離れた地域の村落でも多くの実例が存在する。
既成宗教と密接な関係を持たない素朴な自然信仰を基盤にしてきたこのような聖地が、
鉄道や周辺の都市化などの影響を受けずにいかにして信仰者を獲得していったのか。
本報告では重層的な宗教要素を抱えるこうした聖地を「民俗宗教的聖地」と定義したうえで、
4ヶ所の実例を挙げ、それぞれの聖地を支える村落組織・講集団・宗教者の存在、
信仰集団の軋轢や他宗教との関わり等を比較する中で、
一聖地が地域的信仰から広域的信仰へと展開していく経緯を考察する。
また都市部の民俗宗教的聖地と非都市部の民俗宗教的聖地を比較し、
非都市部で起こっている社会背景を踏まえてそれぞれの聖地の特徴について論じる。

第3報告 石田萌寧氏(天理大学文学部)
「凧揚げの民俗−長崎県壱岐島の鬼凧を中心として−」
今回の研究目的は、鬼の絵が描かれた凧から玩具に表象された妖怪に対する畏敬や
民間信仰の文化的背景を分析することである。
本稿で研究対象とする鬼凧は壱岐の郷土玩具で、長崎県の郷土凧である姿羅門凧の一種である。
まず妖怪が凧に描かれていたことに関して、香川雅信は『江戸の妖怪革命』において、
見た目の滑稽さや注目を集めるという理由で描かれていたとしていた。
しかし研究を進めていく中で、一概に娯楽として描かれ始めたとは言い切れず、
研究をする上で、凧の絵は何かしらの民俗的意味を持って描かれ始めたと仮定する。
先行研究として凧にまつわる信仰や各地に見られる凧揚げの風習から見た凧に対する考えと、
玩具に描かれるようになった妖怪に関する研究をあげる。
鬼凧に対する研究として、絵柄の由来とされている二つの話のあらすじをまとめ、
壱岐の鬼凧と他地域で伝わる同系統の鬼が描かれた凧を写真から比較している。
また壱岐島で鬼凧職人をしている小金丸英美を紹介し、小金丸への聞き取り調査から得られた成果を示す。

第4報告 河上伸太郎氏(佛教大学歴史学部)
「宇治の橋姫伝説の成立と変遷」
本研究は、「宇治の橋姫伝説」がなぜ京都府宇治市で生まれたのかについて、
宇治の歴史的背景から探るとともに、橋姫が古代・中世・近世の各時代を通じてどのように扱われていたか、
その伝承の変遷をたどり、宇治の橋姫が如何にして「鬼女」へと変貌していったのかについて
明らかにすることを目的としている。

第5報告 金濱夏央氏(ものつくり大学技能工芸学部)
「文化財復原整備にまきこまれたモノグラフ研究」
発表者は、大学が所在する地域の近代文化財の復原整備事業(建造物の移築・保存修理工事)に関わる機会を与えられ、
最終的に建物の外観および内観の塗装色復原考察に携わった。
具体的作業としては、現地の建物痕跡調査、外部委託した古写真カラー解析結果との照会、
先行事例および類例調査との照会、最終的には図面に着色し文化財保護審議会へ提案した。
結果、提案通りの塗装色が認められ、この年度末には工事が完了し、
秋には休憩所兼集会所として活用される予定である。
しかし正直なところ、先述した様々な調査それぞれの相互関係が、よく分からないままに取り組んでいたのである。
私自身は、所属学科での卒業研究発表会へ向けて、何度も発表練習をしている途中、
少し距離を置いて作業を振り返った時に、すべての調査が理路整然とつながった。
この報告は、私自身が納得するまでの七転八倒の記録に基いている。

第6報告 原 秀人氏(佛教大学歴史学部)
「国府宮のはだか祭の民俗学的研究」
本研究は、愛知県稲沢市の尾張大國霊神社(通称国府宮)において
旧暦正月に行われる「儺追祭」(通称はだか祭)をめぐる民俗学的研究である。
本論文では「儺追祭」を「修正会の変容」と位置づけ、
このまつりの主役ともいえる「儺追人」と「神男」のはらたきに着目し、
他地域の修正会やはだか祭との比較を試みることで、国府宮はだか祭の独自性を明らかにするものである。


B会場・534教室

第1報告 渡 勇輝氏(佛教大学歴史学部)
「柳田国男と「神道」―「神道私見」を中心に」
柳田国男の著作には「神道」に関わる言説が多く見受けられるが、
柳田と「神道」の関係を検証しようとする動きは、柳田に関する膨大な研究のなかでも存外に少ない。
その背景には、柳田の神道論を「民俗」として総括する民俗学と、柳田の神道研究を異端と見なす神道学、
柳田の「固有信仰」に「国家神道」の残影を見る思想史という、各学問領域の方法的な問題と交流の欠如があり、
問題が空白のままに残されていると言える。
卒業論文では、従来の本質論的な柳田研究を問題とし、同時代性の観点から、
とくに柳田の神道論の嚆矢となる「神道私見」を、神社界の動向と重ねて検討した。
従来、「神道私見」自体に高い価値は認められてこなかったが、
柳田による「神道私見」の表明は、大正期における神社非宗教論と家族国家観という問題と不可分な関係にあり、
史としての事件であった。
本報告では、「神道私見」の読解とともに、柳田の神道史上の位置を確認する。

第2報告 澤山知里氏(関西学院大学社会学部)
「「大阪木材商三講」の民俗誌―舞台講・伊勢講・伊太祁曽講―」
本研究は、大阪府で材木業を営む木材商の人びとが形成・維持してきた「大阪木材商三講」について、
大阪府にある業者や三講に関係する寺社をフィールドに実地調査を行なうことで、
各講の特徴、役割とそれらの関係性などを明らかにしたものである。
大阪の木材商は、舞台講、伊勢講、伊太祁曽講の3つの講を組織しており、
それらの総称が「大阪木材商三講」である。
このうち、舞台講は、現在も大規模な法要を行なっているが、
その性質は、かつての、四天王寺への奉賛、寺社勢力との結びつきを目指すものから、
舞台講員らの先祖供養へと目的が変化している。
また、1983年に正式に講としての登録がなされた伊勢講は、レクリエーション的要素が強い。
さらに、1975年に、木材商が自ら木の神様を探索・発見した事によって成立した伊太祁曽講は、
「同業者信仰」に直結した意味合いをもって木材商たちにとらえられている。

第3報告 井口真衣氏(滋賀県立大学人間文化学部)
「滋賀県における葬送と近隣関係」
葬送儀礼は冠婚葬祭のなかの一つであり、現在でも一般的に行われている。
村の中で行われてきたさまざまな付き合いは失われ、現在も付き合いとして残っているのは葬送だけである。
葬儀業者が現れる以前、村落のなかで葬送を中心とした助け合いはどこの地域でも見られた。
だが助け合いといっても誰でもいいというわけでなく、家ごとに一定の線引きが存在すると考えられる。
それは村の中で定められた組であったり、家同士のみの間で形成される関係である。
このような手伝い合う関係は世代を超えても継続し、
葬送というつながりをもとに近隣付き合いは長い間習慣として残っていた。
しかしその多くはここ十数年のうちに消滅してしまっている。
葬送に関わる近隣関係はそれぞれどんな性格を持ち、どんな働きをこなしていたのかを考察する。
また、そこから考えうる葬送の近隣関係が残り続ける条件はなにかを近江の事例をもとに明らかにしていく。

第4報告 福村悠馬氏(立命館大学文学部)
「『旅程と費用換算』にみる観光行動の変容―1920年〜1940年の香川県を事例に―」
ジャパン・ツーリスト・ビューローが発刊した『旅程と費用概算』は、
内地および外地へのモデルルートを提示した戦間期の旅行案内書である。
同書を用いることで、当時の観光行動の分析が可能である。しかし、それは外地を事例とした研究に限定されている。
そこで、本発表では、日本国内(内地)における旅行者の観光行動を分析した。
その際、香川県への旅行を事例とし、各年度の旅程を復原した。
そして、旅程の経年的な変化とその要因を、社会的なイベントをもとに考察した。
その結果、鉄道の敷設および国立公園の指定が観光行動を規定していた。
1920年代に各地に鉄道が続々と敷設され、各都市間が1つの旅程で結ばれ、
旅行者は沿線の観光地へ訪問するようになった。そして、1934年には、日本初の国立公園が指定された。
国立公園指定へ向かうにつれ、人々は国立公園に関連する景勝地を訪問するようになり、
以前より著名であった観光地も、公園に関わる景観がアピールされるようになった。

第5報告 出口真琴氏(椙山女学園大学国際コミュニケーション学部)
「万葉集巻二の一〇七・一〇八番に現れた「山」と境界」
万葉集巻二の一〇七番と一〇八番の和歌の、山の描写と人間の恋心が通じ合った世界観に感銘を受け、
二首の和歌の山の印象を追求した。
その際、おおよそ同時代について書かれていると考えられる古事記下つ巻の、山の記述を参考にした。
一〇七番一〇八番とその前後に収録された和歌とを合わせると、大津皇子に関する物語になると言える事から、
大津皇子に関する物語全体を通して一〇七番と一〇八番の山を検討した。
西郷信綱の『萬葉私記』によれば、行き過ぎ難き「秋山」であることは、同時に「死のイメージを暗示する」。
さらに古事記下つ巻の山を、西郷の『古事記の世界』の範疇表に基づいて分類し、山について考察を進めた。
大津皇子に関する物語全体において、山は死のイメージをもつと言えるだろう。
また、古事記下つ巻には、どの範疇にも分類できない山が存在する事が分かった。
これは境界の問題に繋がるのではないかと考えられる。

第6報告 福島聖也氏(関西学院大学社会学部)
「大都市近郊地域における現代修験寺院の形成と展開―西宮市の事例―」
本研究は、神戸市と大阪市の間に位置する兵庫県西宮市における二つの修験寺院、
神光寺(上ケ原)と不動寺(山口町)を対象に実地調査を行なうことで、
現代における修験寺院の形成と展開、そこに見られる修験者による宗教実践のあり方や
修験寺院の持つ社会的機能などについて、現代民俗学的に明らかにするものである。
神光寺については、一九七〇年代における上ヶ原地域での住宅開発と農村の変化が寺院創設を促した経緯、
寺院創設の母体が「上ケ原行者講」という講組織であったこと、
行者講による宗教実践の実態などについて明らかにした。
一方、不動寺については、二〇〇六年に、大阪・京都方面の檀家や信者を基盤として、
山口町の住宅展示場のモデルハウスを活用して寺院創設がなされた経緯、
同寺住職の宗教的原点である「薩摩修験道」との関わりなどについて明らかにした。

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・事前申し込み不要。
・会員は参加費無料、会員以外からは300円頂戴いたします。
・終了後、立命館大学衣笠キャンパス諒友館1階食堂(キャンパスマップM)にて
 懇親会を予定しております。そちらの方も是非お越しください。
・懇親会の参加については当日お聞きします。
 参加費は、大人5,000円、院生・学部生3,000円、報告者は招待です。
>>談話会の記録を見る

年次大会情報

第37回年次研究大会のお知らせ


2018年12月に開催予定です。
詳細の掲載まで少々お待ちください。


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・一般参加歓迎。どなたでも自由にご参加下さい。申し込み不要。
・懇親会への参加も歓迎します。
>>年次大会の記録を見る

会員へのおしらせ

第36回京都民俗学会年次研究大会報告者募集

第36回年次研究大会の報告者募集は終了しました。


2017年12月10日(日)開催の京都民俗学会年次研究大会にて報告希望の方は、
エントリーシートにご記入の上、10月20日(金)までに事務局にお送りください。

会員諸氏の日頃の研究成果を公開、享受し合う機会として、
有意義かつ楽しい大会にしたいと存じます。
多くの方々の御登壇をお待ちしております。

エントリー有資格者につきましては、
会員のうち今年度学会費納入者に限らせていただきますので、
あらかじめご了解ください。(エントリー後の納入も大歓迎です。)

エントリーシートExcelデータをご希望の方は事務局までご連絡ください。
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・報告時間:報告者の人数にもよりますが、質疑応答含み40分程度です。
・開催日時:2017年12月10日(日)10:00−17:30(予定)
      *終了後懇親会があります。
・開催場所:京都市職員会館かもがわ(京都市中京区土手町通夷川上る末丸町284)
・事務局メールアドレス:mail[at]kyoto-minzoku.jp

公開:2017年09月27日, 更新:2017年10月24日
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