第348回談話会 シンポジウム③未来の歴史民俗学

日時 2023年1月29日(日)13:30-17:30
開催 京都産業大学むすびわざ館3A教室/オンライン(zoom)

開催概要
京都民俗学会は、前身となる京都民俗学談話会が昭和57年(1982)10月に誕生してから今年で40周年を迎えます。京都民俗学会40周年記念シンポジウムの第3弾「未来の歴史民俗学」を下記の要領で開催します。福田アジオ氏をお迎えして、歴史民俗学の未来について議論を交わします。

タイムスケジュール
13:30 開会
13:32 趣旨説明 市川秀之氏(滋賀県立大学) 
13:40 基調講演 福田アジオ氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)「民俗学と歴史民俗学」
14:40 報告① 市川秀之氏「関西の民俗学の流れと歴史民俗学」
15:10 報告② 柿本雅美氏(大津市文化財保護課)「歴史民俗学の実践―「村の日記」研究会の活動を通して」
15:40 休憩
15:55 コメント① 東城義則氏(立命館大学)
16:10 コメント② 渡部圭一氏(京都先端科学大学)
16:25 ディスカッション 司会:村上忠喜(京都産業大学)
17:30 閉会

趣旨
京都をはじめとする、関西の民俗学界においては、宮座や両墓制といった対象を通じて、民俗の歴史性を明らかにする歴史民俗学が長くおこなわれてきた。これまでの京都民俗学会の雑誌論文や研究発表においても、歴史民俗学的研究が多くを占めている。これは京都民俗学会が、他の研究領域との境界をあえて設けず、幅広い分野からの研究の集積を志向してきたこととも関連している。文化人類学や社会学との関係の深さは民俗学会として当然のこととしながらも、歴史学や歴史地理学、歴史社会学、芸能史研究など、時間軸を意識した民衆文化研究との共通のアリーナとしても京都民俗学会は機能してきたのである。

このたび、京都民俗学会において、過去を対象とするかに思われる歴史民俗学の未来を議論することには二つの含意がある。一つは、これまでの歴史民俗学の研究を振りかえり、今後の歴史民俗学の展望を考えるという意味あいである。近年、歴史民俗学的研究は、従前に比すれば減少しており、このような研究状況のなかで今後の歴史民俗学の研究はいかにあるべきかを議論することには大きな意義があるだろう。また、歴史民俗学の立場から社会、ことに地域社会にいかに関与できるのかという、実践的意味における「未来」についても議論をおこないたい。少子高齢化やコロナ禍のなかでの民俗芸能や祭礼の継承、集落史編纂や集落博物館の運営など、さまざまなパブリック・フォークロアの現場において、歴史民俗学的研究の地域への還元が強く求められている。当日は70年代以降の民俗学研究を牽引してこられた福田アジオ氏を迎え、これらの課題について議論をすすめたい。 登壇者の議論のみならず、シンポジウム参加者からの活発な意見交換によって、このような二つの意味における歴史民俗学の「未来」について展望を見いだせれば幸いである。

参加方法
■会員の方
・【リアル参加】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。
・【オンライン参加】会員の方のみご参加を申し受けます。1月26日(木)23:59までに会員宛てメールに記載されたエントリーフォームから申請してください。

■非会員の方
・【リアル参加】会場に直接お越しください。受付で参加費300円を頂戴いたします。参加登録は不要です。