第363回談話会

論題 神々とその隣 ―愛媛県菊間町の神、妖怪、仏―
日時 2024年7月26日(金)18:30〜20:50
開催 京都市職員会館かもがわ 2階中会議室 / オンライン(zoom)

報告 片岡 樹氏(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

報告要旨
 本報告は、愛媛県菊間町の寺社や小祠の調査から、神とその隣接領域の関係について考察するものである。事例は牛鬼と石仏である。菊間の牛鬼は加茂神社祭において氏子が神輿行列とともに担ぐ練物で、それは農民に害を与えて僧侶によって退治された妖怪の伝説に由来する。これは神社における祭祀対象ではなく、単なる神輿の露払いとされているが、実際には神の類似行為を事実上遂行する場面が見られる。では牛鬼は神と妖怪のいずれに位置づけられるのか。また菊間においては、ある石が神として祀られたり仏として祀られたりする場合がある。組の氏神が五輪塔や石仏であるなど、地域社会の末端においては神仏未分化な傾向が著しい。これらの石はしばしば祟り伝承を伴い、そのいくつかは戦国時代の落城伝説にも結びつけて語られる。本報告では以上二つの事例から、マイナスをゼロにする存在としての神のあり方を明らかにしたい。

参加方法
・【対面】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。非会員の方は受付で参加費300円を頂戴いたします。
・【オンライン】会員の方のみご参加を申し受けます。7月22日(月)23:59までに会員あて告知メールに記載されている申し込みURLから申請して下さい。後日IDとパスワードをお送りします。オンラインアプリはzoomを使用します。なお参加希望者へのアプリ使用についてのサポートは行いません。