第376回談話会 民俗学実践フォーラム「動物行事の実施と存続」

日時 2025年9月23日(火・祝)13:30~17:00(予定)
開催 キャンパスプラザ京都 6F第2講習室 / オンライン(zoom)
趣旨
民俗学実践フォーラムは、研究者や実務者、伝統文化を担う当事者を交えつつ、民俗学の知見を活かすために討議する場である。
二回目にあたる今回のフォーラムでは、人と動物との間で相互作用を伴いながら進行する行事(以下、動物行事)を取り上げる。具体的には、上げ馬神事と鹿の角きりとを取り上げ、両行事の変遷と現状を報告する。両者は哺乳類動物の登場する行事であり、江戸期から変遷をたどり現在まで存続してきた点で共通している。しかしその一方で、両者は異なる性格を有する行事でもある。前者は民俗文化財に指定された行事であり、その土地に暮らす生活者を担い手として実施されてきた。関わる動物は、所有者のいる産業動物である。これに対して、後者は文化財未指定の行事であり、もともとは統治権力の要請ならび団体事業の一環で実施されてきた。関わる動物は、所有者のいない野生動物である。
近年、動物行事の実施をめぐっては、動物側に与える影響をめぐり動物福祉の観点から注目されるようになっている。またSNSの利用が広がることで、行事にまつわる写真や動画といった視覚的データが人びとのあいだで共有され、実務者や当事者に対して感情を伴う形で多様な意見が届くようになっている。このような様相のなか、伝統行事をめぐる議論であることから民俗学の研究者側からも意見表明がおこなわれている。
上述の背景により、動物行事ごとの課題および各行事をとりまく現状に関する討議は、現場で生じている課題を検討したり、さまざまな不測の事態に対処したりする文化財行政の実務、ならびに行事の意義や価値を関係者と協働で検討する公共民俗学の観点から意義あるものと考えられる。
以上をふまえ、本フォーラムでは二行事の現状報告をもとに動物行事の実施と存続について討議する。
13:30 | 趣旨説明 | 東城義則氏(佛教大学宗教文化ミュージアム) |
13:45 | 報告① 上げ馬神事の変遷と現状 | 久保田恵友氏(桑名市観光課文化振興係) |
14:35 | 報告② 鹿の角きりの変遷と現状 | 東城義則氏(佛教大学宗教文化ミュージアム) |
15:25 | 休憩 | |
15:40 | コメント | 辻 貴志氏(アジア太平洋無形文化遺産研究センター) |
15:50 | 総合討論 |
参加方法
・【対面】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。非会員の方は受付で参加費300円を頂戴いたします。
・【オンライン】会員の方のみ、オンライン参加が可能です。開催2日前(目安)に、会員全員にオンライン参加情報を送信します。オンラインアプリはzoomを使用します。なお、参加希望者へのアプリ使用についてのサポートは行いません。