第355回談話会

論題 神輿舁き集団の歴史民俗学研究―京都の祭礼を事例として―
日時 2023年9月14日(木)18:30-21:00(予定)
開催 職員会館かもがわ 3階大多目的室/オンライン(zoom)

報告 中西 仁氏(立命館大学)

報告要旨
多くの人にとって神輿舁きとは、「祭りが始まったらどこからともなく現れて、終わったらどこかへ去っていく」というつかみどころの無い存在である。彼らの多くは、神輿の維持・管理、神輿渡御の準備・運営、神輿巡行の指揮、神輿を舁く事を主体的、実践的に担う神輿舁き集団に属している。
発表者の博士学位請求論文「神輿舁き集団の歴史民俗学研究―京都の祭礼を事例として―」は、京都の神輿舁き集団についての研究である。発表者は二十年以上、京都の様々な祭礼で神輿を舁き続けている。本論文は、発表者が神輿舁きたちから聞かされた蘊蓄や、発表者自らが神輿場で感じた疑問をベースとして、資料調査やフィールドワークを進めながら論考を重ねたものであり、京都の神輿場で語られる「伝説」を研究論文化したものである。
本発表では第四章「神輿荒れはなぜ起きたか」(「神輿荒れはどのように、そしてなぜ起こったのか」『日本民俗学』三〇六(二〇二一)を加筆修正)に焦点を当てる。『日本民俗学』掲載論文で考察した、神輿荒れとは何か、神輿荒れはなぜ起こったのか、の二点に加えて、神輿荒れを起こした神輿舁きとは誰か、の三点を論点としたい。一点目については「公怨型」・「劇場型」・「抗争型」という神輿荒れの類型が、二点目については「承認願望」・「生活感覚」・「不安定性」という神輿舁きたちの心性や状況が、それぞれ妥当なものであるかどうか議論をお願いしたい。三点目については、具体的な個人に焦点を当てて神輿舁きとは何か、神輿場とは何かを考察する。固有の個人に焦点を当てた祭礼研究は、発表者が今後新たに取り組みたい方向であり、様々なご意見を頂きたい。

参加方法
・【対面】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。非会員の方は受付で参加費300円を頂戴いたします。
・【オンライン】会員の方のみご参加を申し受けます。9月11日23:59までに会員あて告知メールに記載されている申し込みURLから申請して下さい。後日IDとパスワードをお送りします。オンラインアプリはzoomを使用します。なお参加希望者へのアプリ使用についてのサポートは行いません。