第380回談話会

論題 人を送り出し、迎え入れる地域 移民輸出地の観光化と社会変容
日時 2026年1月27日(火)18:30〜21:00
開催 キャンパスプラザ京都 6階 第6講習室 / オンライン(zoom)
(京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939)
*京都市営地下鉄烏丸線、近鉄京都線、JR各線「京都駅」下車。徒歩5分。
報告者 許 燕華氏(京都文教大学)
報告要旨
本研究は、中国の少数民族自治地域である延辺の都市部および農村部を対象に、観光化の進展と人口移動の動態が地域社会の再編にどのような影響を及ぼしているのかを社会学的に明らかにすることを目的とする。とくに、都市と農村の比較を通して、観光を媒介とした外部資本・人流の流入が地域の社会関係や生活構造をいかに変化させているのかを分析する。
中国の延辺地域では、若年層の域外流出と少子化が進み、人口減少と労働力不足が深刻化している。一方で、国内各地から観光客が急増し、「人を送り出す地域」が同時に「人を受け入れる地域」へと変容している。このような二重の人の流動は、経済的活性化をもたらす一方で、地域の社会関係や文化的実践の再構築を促している。
本研究では、こうした社会再編の過程を理解する上で、長期的な移民輸出地域としての特性にも注目する。すなわち、韓国や中国大都市での移民経験を通じて形成された文化資本や意識が、観光化の進む故郷でどのような役割を果たしているのかを明らかにすることで、移民経験の「逆流」的影響を文化社会学的に捉えることを試みる。
従来の移民研究は移動の要因や移住先での適応に焦点を当ててきたが、出身地域における社会的・文化的変容への影響分析は限られている。本研究は現地調査を通じ、観光受容と地域再編のプロセスを実証的に明らかにし、移民研究とツーリズム研究の架橋を通じて、グローバルな人の移動と地域社会変容の関係を社会学的に解明することを目指す。
参加方法
・【対面】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。非会員の方は受付で参加費300円を頂戴いたします。
・【オンライン】会員の方のみオンライン参加が可能です。開催2日前(目安)に、会員全員にオンライン参加情報を送信します。オンラインアプリはzoomを使用します。なお参加希望者へのアプリ使用についてのサポートは行いません。

