第347回談話会 シンポジウム②民俗学における『家族』研究の50年―関西の研究者の眼差しを中心として

日時 2022年12月10日(土)13時〜17時15分
開催 佛教大学1号館4階 415教室(京都市北区紫野北花ノ坊町96)/オンライン(zoom)

開催概要
京都民俗学会は、前身となる京都民俗学談話会が昭和57年(1982)10月に誕生してから今年で40周年を迎えます。40周年記念企画第2弾として「民俗学における『家族』研究の50年―関西の研究者の眼差しを中心として」と題するシンポジウムを下記の要領で開催いたします。関西を中心に研究活動を展開する方々をお招きして家族研究に関する活発な議論を展開します。どうぞお楽しみに。

タイムスケジュール
13:00 – 13:35 八木 透氏(佛教大学)「民俗学における『家族』研究の50年」
13:35 – 14:10 森本一彦氏(高野山大学)「『地域』における村と家の関係性」
14:10 – 14:45 大野 啓氏(佛教大学)「竹田聴洲の家・同族論と常民性―丹波と東北の事例から考える」
14:45 – 15:20 安井眞奈美氏(国際日本文化研究センター)「家族のゆくえと民俗学」
15:20 – 15:30 休憩
15:30 – 15:45 コメント① 市川秀之氏(滋賀県立大学)
15:45 – 16:00 コメント② 菊地 暁氏(京都大学)
16:00 – 16:15 コメント③ 大黒久美子氏(佛教大学大学院)
16:15 – 16:30 コメント④ 道前美佐緒氏(関西学院大学大学院)
16:30 – 16:45 島村恭則氏(関西学院大学)「現在の民俗学から見える家族研究の景色」
16:45 – 17:15 総合討論

趣旨
京都民俗学会が創設された1982年から2022年現在に至るまでの間、民俗学自身の学問イメージは大きく変わりつつあるといえる。この間、いわゆる家族・親族を対象とした研究のアプローチの方法や考え方にも大きな変化があり、この領域の研究が民俗学全体の研究動向に影響を及ぼした側面もあるのではないかと考える。さらに、家族・親族に限ったことではないが、本会設立当初から大きく社会の在り様が変化しており、研究対象のあり様に研究が影響を受ける民俗学にとっても、家族・親族を対象とした研究が、どのような質的な変化を遂げてきたのかを考えることは、民俗学全体にとって意義深いものであると考える。さらにいえば、家族・親族研究は、比較的学際的な傾向があり、他分野の影響も受けていることから、民俗学の独自性を考える上でも重要なテーマとなるといえよう。そこで、本会のの設立40周年記念シンポジウムとして「民俗学における『家族』研究の50年-関西の研究者の眼差しを中心として」を設定した。1970年代から80年代にかけて関西では、社会人類学の影響をうけて展開した家族・親族の構造論的な理解よりも、竹田聴洲の研究にみられるように家の本質を祖先祭祀に求めたり、村落祭祀と家との濃密な関係性が意識される中で、家・同族論や家・村落の関係性を分析する視座が形成されてきた。1990年代には、社会人類学の影響を受けた構造論を踏まえた議論も行われるようになったが、竹田らが提示した家論との接合や議論のすり合わせが行われたとは言えなかった。こうした研究の動向を踏まえた上で、これまでの関西の研究者が、家族・親族を中心とした研究を行なってきたのかについて振り返るとともに、民俗学の中で家族・親族研究をどのように位置づけるのか、そして、今後の研究の可能性についての議論を行ないたい。さらに、伝統的な家や家族のあり方を前提とした家論や構造論的な視座だけではなく、いわゆる近代家族のありかたや近代家族の揺らぎを踏まえた議論も併せて行なう場としたい。こうした場を作ることによって民俗学の中での家族・親族研究の位置づけや家族親族研究を行なうことによって民俗学全体にどのような可能性を提示することができるのかについて考える機会としたい。

参加方法
・参加ご希望の方は、12月3日(土)23:59までに会員宛てメールに記載されたエントリーフォームから申請してください。
・【リアル参加】非会員の方は当日受付で参加費300円をお支払いください。
・【オンライン参加】会員の方のみご参加を申し受けます。後日URLとパスワードをお送りします。なお今回はオンライン参加の方は質疑応答ができません。
・【オンライン参加】オンラインアプリはzoomを使用します。なおアプリ使用についてのサポートは行いません。