第351回談話会
論題 柳田国男と「大正期」の「神道」―民間宗教者論の射程―
日時 2023年4月28日(金)18:30-21:00(予定)
開催 職員会館かもがわ 3階中会議室/オンライン(zoom)
報告 渡 勇輝氏(佛教大学総合研究所特別研究員)
報告要旨
本報告では、報告者の博士学位請求論文「柳田国男と「大正期」の「神道」――「神道私見」を起点に」の内容を紹介しつつ、論文内で提示した論点のなかでも、柳田国男の民間宗教者論に焦点をあてて、今後の展望も含めた報告を行う。
報告者は、これまで民俗学の形成史として理解されてきた柳田国男のテキストを、近代神道史の視角から位置づけなおすことを試みてきた。これまで柳田の「民俗学」の提唱と確立には紆余曲折のあったことが指摘されてきたが、柳田が自他ともに「神道」研究者であるという認識があったことについて、同時代の言説やネットワークを視野に入れた研究はほとんどなされてこなかった。本報告では、柳田も参加していた東京帝国大学の神道談話会に注目して、学知ネットワークからテキストが形成されていく過程を分析し、同時代に興った『郷土研究』と『民俗』の関係をとらえなおす。
また、柳田の中核的な議論となる民間宗教者論の射程とは、大正期という国民国家の再編期において、永久不変の国民性論に基づいた神道思想に対する、中途に社会変革をもたらす特殊な人間の出現をとらえるものであり、それは絶えず同時代の専門神職の問題と密接に展開した。この観点からすれば、民間宗教者論は常民論の台頭によって閉じられていくものではなく、「神主」の問題として連続していたことを展望してみたい。
参加方法
・【対面】会場に直接お越しください。参加登録は不要です。非会員の方は受付で参加費300円を頂戴いたします。
・【オンライン】会員の方のみご参加を申し受けます。4月25日23:59までに会員あて告知メールに記載されている申し込みURLから申請して下さい。後日IDとパスワードをお送りします。オンラインアプリはzoomを使用します。なお参加希望者へのアプリ使用についてのサポートは行いません。