第329回談話会

日時 2021年1月29日(金)18:30-21:00


開催方法 オンライン形式(zoom)


後援 山・鉾・屋台研究会


報告者 辛 槿姈(シン・グンヨン)氏(高麗大学歴史教育科講師)


論題 韓国における山台研究の現在


要旨
今回の報告では、韓国における山台研究の流れを踏まえながら、それをテーマ別にわけ、絵画資料とともに簡略に紹介したいと思います。
山台に関する研究は、1930年代から民俗学者により注目をうけたテーマであります。特に、現伝する仮面劇の起源につながり、先鋭な議論が今まで続けられています。韓国では、一部の仮面劇が‘山台遊’(サンデノリ)とも呼ばれていますので、この点から山台と仮面劇の連関性が大変敏感なイッシューで扱われてきています。
最近、朝鮮後期の山台のことが分かれる絵画資料が発掘され、学界から大きな関心を浴びています。中国北京民族大学の所蔵の『奉使図』と、フランス東洋語学校の所蔵の『整理儀軌三十九城役圖』(一名落成宴圖)カラー版がそれです。朝鮮王朝の公式行事において、山台が大変大きな役割を果たしたことがよく分かれる、かなり興味深い資料であります。
今回の報告では、韓国における山台研究の主な流れと争点などを紹介し、最近公開された絵画資料に関しても述べたいと思います。
そして、山台の再構を通じた、韓国伝統芸能のチャレンジと方向性に対してもお話ししたいと思います。

【山台仮面劇とは】
韓国京畿道楊州に伝わる伝統的な仮面舞踊劇。
李朝の山台都監庁が掌握したことから山台の名がついたとされる。
4つの仮設舞台(山台)が置かれるほか、移動する山車(サンスーレ)も作られたという。